2012年2月1日(水)

豚は知能指数が高かった!

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 千葉県木更津方面に行った折、近所の袖ヶ浦市にある「東京ドイツ村」に寄ってみました。東京ドイツ村は2001年3月に開業。敷地面積27万坪ある広大な農業公園型テーマパークで、袖ケ浦市の区画整理事業の一環として、東急不動産等が開発を行いました。冬場は日本最大のイルミネーションを園内に配置し、夜の観光客を多数集めています。

 園内の動物広場に行くとちょうどその時、白と灰色の縞模様の豚が若い女性飼育員さんに連れられて散歩していました。園内のプログラムには「ミニブタの散歩」と書いてあるのに、十分に大きい豚です。暴れることもなくおとなしく飼育員さんに付いていき、直ぐに止まっては細かく切った野菜の餌を手移しでもらいます。

     東京ドイツ村の散歩中のミニブタ

 「スゴイ可愛いですね、大人しいし。」と飼育員さんに声を掛けると、「豚は頭の良い動物なんですよ。犬と同じくらいの知能があるって言われてますし。自分の名前もちゃんと理解しています。」そう言って、餌を差し出しながら犬にやるような“待て”をしてくれました。豚は餌をもらいたくてうずうずしながらも、待ての命令に従い餌を食べません。

「いやーホントだ。ちゃんと命令を理解するんですね。子豚が牧羊犬の代わりに活躍する映画があったけど、現実知能が高いんだ。ミニブタって書いてますけど、この大きい豚もミニなんですか」「大人の体重で100kg以下の種類がミニブタになります。この子は3歳で母豚ですけど、今90kg位ですかね。今は寒いので毛が多くなっていますが、夏は毛が抜けて薄くなります。ちょっと毛を触ってみますか」背中の毛を触ると、針のように固い毛です。そうか、ブラシなんかに使うのが豚の毛だと想い出しました。

     東京ドイツ村の「待て」をしているミニブタ

 後日ネットで豚の知能を調べると、豚が芸をするYoutubeの動画もありました。今まではただ人間に食べられるだけの動物。年がら年中餌を食べまくる、ただ太って頭も悪いイメージでしたが、豚は立派な知能を持った動物だったのです。

 我々が普段食べている豚は、どれくらいで出荷されているか調べてみました。平均すると185日で出荷されているそうです。たった半年で出荷!牛は出荷まで2年半掛かりますので、それに比べれば1/5の回転率です。和牛は熱く語られることも多いですが、養豚業ももっと注目を浴びても良さそうです。短期で出荷できる養豚業は、食糧安全保障の観点では牛よりも重要そうですし。

追記1)ネットでもう少し調べると、母豚は1年に2.5回くらいのペースで出産させることができる。出産後30日くらいで離乳、この時は7~10kgくらい。3ヶ月くらいで40kgになり、180日から190日で体重が105kgから110kgで出荷される、と書いてありました。

追記2)「養豚に関するデータ」 農林水産省HPデータ等から

・日本の養豚生産者6890戸(この数字ちょっと怪しい)、飼育頭数977万頭

・日本の養豚生産額 5120億円

・豚肉消費量  国内産88.4万トン、輸入86.2万トンと国内産はほぼ半分のシェア

・豚肉の差額関税制度 農林水産省のHPでは(1)輸入品の価格が低いときは、基準輸入価格を下回る部分を関税として徴収して国内養豚農家を保護、(2)価格が高いときには、低率(4.3%)な従価税を適用となっています。ブランド豚以外は輸入品の方が安いので、基準輸入価格を下回る価格分が関税となります。500円/kgが基準輸入価格で輸入価格が300円/kgであれば200円/kgの関税が掛けられます。

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