2012年2月19日(日)

豪雪地帯と雪下ろし機「楽ちゃん」

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 2月上旬に、銀座ミツバチのツアーで新潟市、村上市を訪れました。新潟イコール豪雪と言うイメージと違って、海岸沿いの新潟市はさほど雪は積もっていません。雪は日本海側の湿った空気が山にぶつかり雪として落ちるので、山里では豪雪となりますが、山から離れた平野部ではさほど積もりません。それでも今年の雪の量は多く、住んでいる方は大変そうでした。温暖化の影響で蒸発する海水の量が年々増え雪の量も増えているのだと言う人もいます。

 山形県との県境にある村上市に行くと、新潟市とは違って段々雪の量も増えていきます。村上市平野部から里山の高根地区に向かっていたので、より雪は深くなり民家の屋根には1mくらい雪が積もっています。丁度日曜日と言うこともあり、どの家もスコップ、雪下ろし機を持って屋根に上って作業をしていました。

大変だなあ、これじゃ一日では雪下ろしは終わらないよな、と思ってバスの車窓から眺めていると、腰の曲がった80歳台のお婆ちゃんが屋根に上って雪下ろしをしているのが見えました。お婆ちゃんの家の屋根は、ほとんど雪が減っていません。そうだよな、手伝ってくれる人がいなければお婆ちゃんがやるしかないものなあ。この雪下ろしは何とかならないのか。

 札幌辺りに行くと、結構平らな屋根(陸屋根)の戸建てが多く目に付きます。そしてそういう家では屋根に融雪の熱源が入れてあり、降った雪を溶かすので面倒な雪下ろしはしなくても済みます。村上でも融雪機を屋根に付けるか、屋根自体を撥水性のツルツルにして降った雪がすぐに滑って落ちるようにしてしまえば良いのにと考えました。もしくはブルーシートで冬の間だけ覆って、下からロープで揺らして雪を落とすだとか。

 東京に戻って雪下ろしについてネット記事を調べてみました。結果は私のような考えは、雪国を知らない都会人の浅はかなアイデアであることを知りました。そもそも雪が屋根から落ちてくるのが危ないのであって、わざわざ屋根に雪留めを付けて雪が滑り落ちないように工夫がされている。中途半端に雪を溶かすと、凍ってしまった時により悲惨な状況になる。溶かす熱源のエネルギー代もコストが高い。雪が積もっても1mくらいまでは家は耐えられるので、積もり過ぎたら雪下ろしをするのが一番効率的なのだと買いてあります。そうか、安全のためにわざわざ雪が落ちないように貯めていたのか。

 それでも何かもう少し楽になるように、お婆ちゃんが屋根に登らなくても済む方法は無いのかと思って調べてみると、“雪下ろし機・楽ちゃん”の動画に行きつきました。また下手くそなネーミングを付けちゃってと思いながら見てみると、結構効率よくサクサクと雪を落として行きます。50cmくらいの立方体に雪をカットして、これを滑り台になるシートに載せてガンガン雪下ろしをする仕組みです。

 http://www.youtube.com/watch?v=OltgdCCyYFw

 これならスコップで雪を放る力も要らないし、かなりの効率で下に雪を落とせます。価格はまだ出ておらず、“滑落式雪下ろし機 楽ちゃんの実証試験“と書いてあるのでまだ試作段階なのでしょう。下手くそな名前の「楽ちゃん」が早く普及して、雪国の人が少しでも楽になることを願っています。

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