2012年2月22日(水)

浜松町の世界貿易センタービルディング建替えとJR東日本

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 JR浜松町駅の西方(大門側)に大きな駐車場があります。前所有者は国際興業でしたが、この土地を世界貿易センタービルディング(以下「世貿(せいぼう)ビル」)が買っています。また、私の取引先が入居している浜松町駅西方にあるオフィスビルも数年前に、㈱世界貿易センタービルディングが購入しています。

 世貿ビルが建てられたのは1970年(42年前)。延床面積153,700㎡の40階建て。1996年に300億円の巨費を掛けて改修工事を行っています。それでも昭和の雰囲気は色濃く残り、ちょっとレトロビルの様相です。オリックスや、川崎重工等の大企業が入居しています。所有者の㈱世界貿易センタービルディングは、日立製作所、東京電力、新日鉄等の経団連系大企業が出資している会社です(直近の株主構成は未調査)。

 ㈱東京モノレールの株主の1社である日立製作所の所有株を2002年3月に買ったのがJR東日本です。そして同年7月には、京浜東北線で通過駅だった浜松町に快速が停車するようになりました。現在の浜松町駅は迷路状態で、JR駅からモノレール駅への乗り換えや、モノレール駅での乗り降り(特に帰りの降車)が何時も混雑していてげんなりしてしまいます(継ぎはぎだらけの動線)。羽田空港へのアクセスが格段に良くなった京浜急行に、だいぶ顧客を取られています。

 このためにJR東日本は、JR浜松町駅を近代化しようと、数年後には世界貿易センターごと現在の駐車場の土地に建替える計画だと言うのです(取引先社長の話しで、ネットで調べても出てこない)。そのために周辺ビルを買い増しているとのこと。

 最近、竹芝側に近代的オフィス2棟(飯野海運、T&Dホールディングスの汐留浜離宮ビル。東急不動産と三菱地所の汐留ビルディング)ができて、だいぶ整備された浜松町駅界隈。世貿ビルが建替えできれば、近代的な駅に生まれ変われます。

追記)2013年度には、東北縦貫線計画により東北本線と東海道本線間の相互直通運転が開始される予定で、埼玉方面と神奈川方面を結ぶ主役は、京浜東北線から東北縦貫線に交代となります。そうなると京浜東北線は快速の必要が無くなり、昔通りに各駅に戻るのでは?都内の我々の使い勝手は、各駅の方が断然良くなります。

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