2012年8月4日(土)
秋田の国際教養大学(AIU)の試み
平成24年7月16日付の日経1面に、主要企業の人事トップに「人材育成の取り組みで注目する大学」をヒアリングしたところ、国際教養大学が首位になった。2位の東京大学の3倍近い指示を集めた、と出ていました。国際教養大学?どこの大学だ、それは?と思っていると、秋田県の公立大学だというのです。
ネットでどのような大学か見てみると
・国際教養大学(秋田県秋田市、略してAIU)は2004年に開学。ウェブサイトには「『英語を学ぶ大学』ではなく『英語で学ぶ大学』です」とうたっており、すべての授業が英語で行われているほか、1年間の留学が義務づけられている。また国内の寮で外国人留学生と共同生活をすることを義務付けられている。東大が最近言い始めた9月入学も、真っ先に取り入れている。
・全国的に注目を浴びたのが、その就職率の高さ。AIUでは2008年に初めての卒業生を出したが、就職率は100%を達成。2012年度は、161人の就職希望者に対して160人が就職。この実績で、企業の認知度が非常に高まっている。
・大学入試の偏差値は65~66(代ゼミ、河合塾)で、東京外語大学くらいと同レベルにまで上がっている。在学中の成績も厳しく評価され、4年で無事に卒業できる学生は半数程度とも言われている。
中嶋学長のサンデー毎日とのインタビュー記事も大学のHPで見られます。この中で繰り返し語られ重要視していたのが、“国際教養(インターナショナル・リベラル・アーツ)”。このことについて、大学のHPでは下記のように記されています。
国際教養大学は、伝統的な教養教育を発展させた「国際教養(International Liberal Arts)」こそが、未来に通じる教学理念だと考えています。「国際教養教育」の目的は、専門性の追求から生じる限界を克服することにあります。急激に変化する社会に対応するには、広い分野にわたる普遍的な知識を深く習得し、状況に応じて適切な判断が下せる多角的な視点を身に付ける必要があります。
また、グローバル化が進行する世界では、「国際語」である英語はもとより、異文化理解の精神をふまえた外国語のコミュニケーション能力が不可欠です。一つの言語を学ぶことは、「一つの世界の広がり」を意味します。明日の日本を担うリーダーには、母語、英語、そしてもう一つの外国語を学ぶ「三言語主義」が求められます。
こうした21世紀の知的基盤社会にふさわしい道義と学識及び発信力を、私たちは「国際教養」と定義付けています。
これだけ良いお手本があるのなら、他の大学も企業に全く期待されない卒業生を毎年送り出してばかりいないで、手っ取り早く真似すれば良いと思います。
・いきなり授業を全部英語には出来なくても、20%か30%の授業を英語で行う。
・基礎教養に力点を置き、滅茶苦茶勉強して一定レベルに達しない限り進級させない。
・外国人留学生と共同で4年間住む。日常から英語で会話をし、色々な国の人々と臆せずコミュニケーションを取れるようにする。
・1年間の留学を義務付ける。
・第2外国語も会話程度はできるようにする。第2外国語の種類も、中国語、ロシア語、韓国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、アラビア語等まで幅広く取れるようにする。
上記くらいの改革は、やる気になれば直ぐにできることです。一番反対するのはこういう授業をできない先生たちでしょうが、そういう先生には真っ先に辞めてもらえば良いだけです。
いきなり大学全体がそのようにできなくても、1学部、1学科だけでもそういう授業、学生生活が送れるように環境整備すれば、その良さが学校全体に広がり、10年も経てば一流大学まで登りつめることも可能でしょう。中国で経済発展の礎を気付いた特区構想と同じで、まずは部分的に成功させると言う発想です。東京から遠く離れた秋田の公立大学にできたのだから、他の大学でも絶対にできるはずです。
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