2015年1月20日(火)

別荘地は売れない

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 今年になってから、伊豆の別荘地の調査依頼が来ました。厳しい、売れないとは聞いていましたが地元別荘業者さんから聞いたのは、下記内容です。

・現在は別荘で買いに来る顧客はまずいない。9割以上が永住用(別荘地に住む)か、時折都心に出勤するようなセミリタイアのお客さん。別荘で買おうとする人は5%くらいの感じ。

・ほとんどの方の予算が建物代込で1000万円から1500万円。2000万円を超える予算の方もたまにいるが、非常に少ない。必然的に土地から買って建物を建てようと言う人は少なく、既存の使える建物付別荘地に需要が出る。

・建物が付いていれば別荘も売れるが、土地だけの別荘地はまず売れない。よほど眺望が素晴らしいであるとか、平坦地なら売れるかも知れない。平坦地の場合は、畑等をやりながら田舎暮らしというニーズがあるし、地元の方で売れる可能性はある。

・25年前のバブル時代には伊豆高原で一番人気のある別荘地が100万円/坪を超えた時期もあった。現在では10万円/坪でも売れない。

・東伊豆町・熱川で昔は人気のあった別荘地(土地だけ)を昨年総額20万円で引き取ってくれないかという話があった。売主は他の不動産売買で利益が出たらしく、年内に赤字を出して利益減額(税金軽減)を狙っていた。しかし20万円で仕入れても利益を出す自信が無かったので断った。伊豆高原より南方に行くと売れる気がしない。

  別荘需要の一翼を支えていた法人がほとんど買わなくなってしまった現在、非常に需要が無い、価格が付かなくなってしまった別荘地。もちろん軽井沢のように高値がつく例外もありますが、箱根でも昔のような価格は付きません。お爺ちゃん、お父さんが使っていた別荘も、今の40台、30台の方たちには重荷でしか無いような物も多数あります。

この売るに売れない、使う人も少なくなった別荘の利用を上手く思いつけば、良い商売になりそうです。

 

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