2010年8月5日(木)

離島に架ける橋

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 海の上のその橋を渡ると、目の前一杯に輝くエメラルドグリーンが広がる。そんな美しい橋が、沖縄県本部(もとぶ)半島北側にある古宇利(こうり)大橋です。2005年2月開業で、1960mの橋です。ちなみに古宇利島の人口は約350人で、開業当初こそ沖縄県民も見に行きましたが、現在の通行量はごくごく少数。総工費約300億円と言われる代物で、今後のランニングコストを考えれば、錆び止などで無茶苦茶お金が掛かります。

 場所を変えて沖縄本島から南西300kmにあるのが宮古島(人口約4.5万人)。宮古島東急ホテルが与那覇前浜にありますが、広く白い砂浜は最高に美しいビーチです。このすぐそばに、宮古島と来間島(人口200人弱)を結ぶ来間大橋があります(1995年3月開業、延長1690m)。ここも美しい橋で、橋の上からイカが群れで泳いでいるのが見えました。来間大橋の自慢は、日本一の農道橋ということです。日本一と言われると何でも嬉しくなりますが、何故、農道が海を渡ったのか。宮古島にはもう1本、池間島を結ぶ池間大橋と言う架橋もあります(1992年2月開業、延長1425m)。

 そして現在宮古島で建設中の次の橋は、伊良部島を結ぶ伊良部架橋です。その距離は海上部だけで何と3540m!!何故そんな長い橋が必要なのか?伊良部島・下地島(伊良部島とほぼ陸続き)の人口は約7500人。現在宮古島平良港と伊良部佐良浜港との間をカーフェリーが1日6本出ていて、所要時間約25分でそれぞれ行き来します。伊良部架橋の総工事費は、ネットの投稿記事だと約320億円で、2006年3月に起工式が行われ、2012年開業予定だそうです。

 沖縄事情通に、何でこんなに宮古島では橋ばかり造るんだと聞いたことがあります。「宮古は、山がなくて真っ平らなので、どこも造成する場所が無い。だから一番お金を掛けた工事ができるのが橋しかない。石垣は飛行場作るので何十年も揉めているけど、宮古は飛行場もすぐ作っちゃったし。その点、石垣島は山があるから色んな工事ができる。」

 まあ、概ねこんな理由で3.5kmの海上橋が作られています。

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