2012年1月25日(水)
中国要人の名前、中国地名は現地表記にすべき
昭和48年に金大中氏が東京でKCIAに拉致られた時、マスコミでは“キン・ダイチュウ、キン・ダイチュウ”と連呼していました。それがいつの頃からか、金大中氏はキム・デジュンと呼ばれるようになりました。全斗換氏もゼン・トカンではなく、チョン・ドゥファン。今の李明白氏は最初からイ・ミョンパクです。現地で通じない呼び名を言うよりは、少しでも地元で通じる発音をした方が何ぼか価値があります。
これが全くできていないのが、対中国に対してです。孫文、毛沢東、周恩来をソンブン、モウタクトウ、シュウオンライと言っても中国人にはチンプンカンプンでしょう。
日経ビジネスの中国の記事を読んだ時に、読み仮名の表記が現地仕様であることに気が付きました。胡錦濤はコキントウではなく、フー・ジンタオ。温華峰はオンカホウではなく、ウェン・チアパオ。次期国家主席の習近平はシー・ジンピン、次期首相の李克強はソー・クァチャン。最初からこう覚えてしまえば、中国に行っても苦労はしません。日本人だって、野田首相を中国読みで“リアンティアン”、小泉元首相を“シャオチュアン”と中国人に言われても全く分からないのと一緒です。
同じように主要都市も現地表記に変えた方が良さそうです。上海はシャンハイで良いのですが、北京はベイジン、重慶はチョンチン、天津はティエンジン。
何となくいつまでも日本語読みから変えないのは、日本軍が中国を支配していた時の郷愁のような気もします。90歳で亡くなった叔父さんが戦時中満州に従軍していましたが、生前は良く中国の話をしてくれました。そして良く中国の地名を知っていました。特に良く出てきた地名は、奉天(現在の遼寧省の省都・瀋陽)、新京(現在の吉林省の省都・長春)、旅順、大連です。戦中派世代、戦後世代もそのまま中国を支配していた気分で日本語の漢字読みを止めなかったのでは。もしくは中国通、学校の先生が現地表記を覚えられず、そのままにしていたのかも知れません。
孫文はスンウェン、毛沢東はマオ・ツォートン、周恩来はヂョウ・オンライ、鄧小平はダン・シャオピン。広東はグワンドン、西安はシーアン、成都はチョンドゥ、大連はダーリン。ピンイン(中国語の母音の上げたり下げたりする発音方法)を正確に言わないと所詮通じないと言われるかも知れませんが、少なくともコキントウよりフー・ジンタオの方がよっぽどマシでしょう。中国人と仲良く付き合って行くには、中国語仕様の表記に変えるのは最低限のルールだと思っています。
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