2015年1月5日(月)
浅草の旅館「貞千代」とプランターの柳の木
正月明けに浅草に散歩に行き、裏道をぶらぶら歩いていました。
合羽橋通りのドジョウの飯田の近所で、古びた着物屋がありました。そこの看板に書いてあったのが、「着物1日レンタル3150円」の文字です(消費税5%のまま)。なるほど、最近は外国人観光客も増えているし、着物を着て浅草をブラブラしたいという需要はあるのだろう。こんな古びた着物屋もグローバル化しているんだ。
花屋敷の入口付近でも人だかりができている一角がありました。何やってんだろう?と思って覗くと、手裏剣を投げて的に当てるコーナーと、小さい弓矢で俵の的を狙うコーナーが並んでいました。そうか、こういう分かり易い遊びが受けるんだ。
手裏剣道場
矢場
最近読んだ日経BP社の「日本人だけが知らない「ニッポン」の観光地」で、浅草の旅館「貞千代」が取り上げられていました。貞千代は早くから外国人観光客を呼び込もうと、和の雰囲気を出して人気となっていると言うのです。
貞千代は国際通りの東側(浅草寺側)で、言問通りの南側のあまり人も通らない路地にあります。建物の外観が漆喰壁と瓦屋根で和の雰囲気を醸し出しています。ただ建物以上に和を醸し出しているのは、道路際に植わっている柳の木です。漆喰壁に柳の木。この感じが風流な江戸情緒を醸し出しています。
建物は道の際まで建っているので本来は柳の木が植わるようなスペースはありません。どこに柳の木が植わっているのか。それは大きなプランターボックスを道路の上に置き、そのプランターで柳の木を植えているのです。道路にプランターを置くこと自体反則ではありますが、柳の木が醸し出す江戸情緒は何とも言えず良いのです。
貞千代外観とプランターの柳
庭の無いような殺伐として路地でも、プランターを置いて柳の木を植える。建物は1階部分だけでも漆喰壁にして、ちょっとした瓦の庇を設ける。アルミサッシの窓も木の縦格子の木枠を外に取り付ける。このくらいの外観を統一するだけで、貞千代のように外国人が感動する江戸情緒を演出できると思います。
追記 浅草出身の大学同期から、「貞千代は昔からいわゆる「お座敷遊び」体験ができることを売りにして、食事+幇間(たいこもち)や投扇興遊び等が人気が高い宿だった。しかし昔は外人客も少なく、殆ど日帰りの日本人のお客さん中心だった。」と教えてもらいました。そんな歴史のある宿だったんだ。それが今の時代にリバイズして、生き残っていくとは大したものです。
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