2010年9月12日(日)

おんぼろ店舗が高収益物件に

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 渋谷の不動産会社さんが、10年位前に投資した区分所有店舗の話です。その時代は銀行の貸し渋りがピーク状態で、ほとんどの不動産会社が資金繰りに汲汲とし、新しく不動産を買うのが困難な時代でした。

 物件は目黒の権之助坂にある分譲マンション1階の店舗です。築年数も古く、坂道の道路から若干下がったところが入口で、専有面積が約100坪もある空室物件です。ただ価格は1億円(@100万円/坪)とお買い得値段。これを三日三晩悩んだ上で、銀行の融資も引き出せたことで、よし勝負だと買ったのでした。

 買って暫くして、この物件を借りに来たのが、チェーン展開をしている中堅ドラッグストア。条件は賃料200万円(2万円/坪)、敷金4000万円(20か月分)。従って、年間収入は2400万円に対してネット投資額6000万円(1億円-4000万円)で、グロス利回りはなんと40%!!まさに、ワーオです。

 当初は古い建物なので、雨漏りのクレームが来たそうです。ただ、チェーン展開しているテナントなので、貸主が修理を依頼する前にテナント側で修理してしまったそうです。

 店舗に大切なのは建物の質よりも、まずは場所ということなのでしょう。当社もこういう投資物件を狙ってはいるのですが、そうそう上手い話はやって来ません。

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