2011年9月3日(土)

戸建分譲の飯田グループとは

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 戸建住宅を分譲する一(はじめ)建設株式会社。元々の社名は飯田建設工業であり、昭和42年に飯田一雄氏(現会長)が創業しました(本社は練馬区石神井公園駅)。平成16年にリストラ(資本金を減資)して、社名を一建設に称号変更しました。一時期は瀕死と思われていたのに、最近の一建設は絶好調です。平成23年3月期で、売上2097億円、経常利益235億円を叩き出しているのです。一建設になった由来は、業界の一番を目指すという説もありますが、飯田一雄会長の“一”から取ったという説が有力です。

 不動産業界では、旧飯田建設工業の資本が入った企業を飯田グループと呼んでいます。いずれもやり手の社員が独立して会社を上場までさせ、そこに創業者の飯田一雄氏や飯田氏関連会社が一部株式を持っています。飯田一雄氏の統治下と言うことではなく、各社独自に経営を行い飯田グループ同士で激しく用地仕入合戦を行っているようです。

  飯田グループと呼ばれる上場7社の、一建設、飯田一雄氏関連会社の株式持ち分は下記の通りです。大きなシェアは持っていないようですが、外資系証券会社の株の本当の所有者が誰か分からないので、本当のところは良く分かりません。*時価総額は、平成23年8月1日時点。

①   一建設(小泉社長、東証一部上場)

(有)樹商事37.8% 飯田一雄氏5.9%、飯田一樹氏9.5%、飯田和美氏3.2%

②   アーネストワン(西河社長、東証一部上場、時価総額587億円)

伏見管理サービス株式会社4.26%

③   飯田産業(兼井社長、東証一部上場、時価総額424億円)

  一建設4.2%

④   東栄住宅(西野社長、東証一部上場、時価総額248億円)

  一商事13.15%、飯田一雄1.25% 

⑤   タクトホーム(山本社長、東証一部上場、時価総額175億円)

飯田和美12.81%、一商事6.98%

⑥   ファースト住建(中島社長、大証二部上場、時価総額100億円)

*旧飯田建設加古川支店がのれん分けで独立

伏見管理サービス株式会社10.65%

⑦   アイディホーム(久林社長、ジャスダック上場、時価総額106億円)

  飯田一雄氏13.24%、一商事7.35%

 平成21年度の分譲戸建が約11万棟ですが、この内飯田グループは19,527棟であり、シェアは17.4%を占めています。各社の売上、経常利益、有利子負債は下記のとおりです。

企業名 売上 経常利益 有利子負債
一建設 2097億円 235億円 315億円
アーネストワン 1608億円 213億円 75億円
飯田産業 1039億円 115億円 268億円
東栄住宅 901億円 79億円 272億円
タクトホーム 467億円 53億円 46億円
ファースト住建 368億円 39億円 55億円
アイディホーム 452億円 49億円 91億円

 最近は、戸建販売だけでなく、マンション開発にも積極的に手を出している会社もいくつかあります。

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